米国(アメリカ)のアマゾンの FBA (Fulfillment by Amazon / フルフィルメント バイ アマゾン)を利用し日本から商品を販売する場合、販売者は米国(アメリカ)の売上税(Sales Tax / セールスタックス)を米国(アメリカ)に申告・納税する必要があるのでしょうか。
結論を申し上げると、答えはYESです。
これを知らずに販売を行なった場合、思いもせず州税務当局からペナルティの通知書が届いたり税務調査となる可能性があり、たいへん危険な状態といえます。
マーケットプレイスファシリテーター法(Marketplace facilitator laws)
国のマーケットプレイスファシリテーター法(Marketplace facilitator laws)とは、AmazonやeBayなどが運営するオンラインマーケットプレイスに対し、個々の販売者に代わって売上税を徴収し納付することを義務付ける州法のことです。
本来、原則として、販売者が自身の事業所や倉庫等がある州から州外に販売した場合、売上税の徴収・納税義務はありません。この場合、原則として、購入者が居住する州法に従い使用税(Use Tax / ユーズタックス)を申告・納税することになります。
しかしながら、2018年以降各州ではマーケットプレイスファシリテーター法(Marketplace facilitator laws)を可決し、ほぼ全ての州において大手のオンライン小売業者は、個々の販売業者がその州へのつながりの有無に関わらず、各州の売上税を徴収し販売業者に代わり納付する義務があります。
マーケットプレイスファシリテーター法(Marketplace facilitator laws)が施行されている州は次のとおりです。(2023年9月現在)
州 | 適用開始日 |
---|---|
アラバマ州 | 2019 年 1 月 1 日 |
アラスカ州 | 2020 年 4 月 1 日 |
アリゾナ州 | 2019 年 10 月 1 日 |
アーカンソー州 | 2019 年 7 月 1 日 |
カリフォルニア州 | 2019 年 10 月 1 日 |
コロラド州 | 2019 年 10 月 1 日 |
コネチカット州 | 2018 年 12 月 1 日 |
コロンビア特別区 | 2019 年 4 月 1 日 |
フロリダ州 | 2021 年 7 月 1 日 |
ジョージア州 | 2020 年 4 月 1 日 |
ハワイ州 | 2020 年 1 月 1 日 |
アイダホ州 | 2019 年 6 月 1 日 |
イリノイ州 | 2020 年 1 月 1 日 |
インディアナ州 | 2019 年 7 月 1 日 |
アイオワ州 | 2019 年 1 月 1 日 |
カンザス州 | 2021 年 7 月 1 日 |
ケンタッキー州 | 2019 年 7 月 1 日 |
ルイジアナ州 | 2020 年 7 月 1 日 |
メイン州 | 2019 年 10 月 1 日 |
メリーランド州 | 2019 年 10 月 1 日 |
マサチューセッツ州 | 2019 年 10 月 1 日 |
ミシガン州 | 2020 年 1 月 1 日 |
ミネソタ州 | 2018 年 10 月 1 日 |
ミシシッピ州 | 2020 年 7 月 1 日 |
ミズーリ州 | 2023 年 1 月 1 日 |
ネブラスカ州 | 2019 年 4 月 1 日 |
ネバダ州 | 2019 年 10 月 1 日 |
ニュージャージー州 | 2018 年 11 月 1 日 |
ニューメキシコ州 | 2019 年 7 月 1 日 |
ニューヨーク州 | 2019 年 6 月 1 日 |
ノースカロライナ州 | 2020 年 2 月 1 日 |
ノースダコタ州 | 2019 年 10 月 1 日 |
オハイオ州 | 2019 年 9 月 1 日 |
オクラホマ州 | 2018 年 7 月 1 日 |
ペンシルベニア州 | 2018 年 4 月 1 日 |
プエルトリコ州 | 2020 年 7 月 1 日 |
ロードアイランド州 | 2019 年 7 月 1 日 |
サウスカロライナ州 | 2019 年 4 月 29 日 |
サウス・ダコタ州 | 2019 年 3 月 1 日 |
テネシー州 | 2020 年 10 月 1 日 |
テキサス州 | 2019 年 10 月 1 日 |
ユタ州 | 2019 年 10 月 1 日 |
バーモント州 | 2019 年 6 月 7 日 |
バージニア州 | 2019 年 7 月 1 日 |
ワシントン州 | 2018 年 1 月 1 日 |
ウェストバージニア州 | 2019 年 7 月 1 日 |
ウィスコンシン州 | 2020 年 1 月 1 日 |
ワイオミング州 | 2019 年 7 月 1 日 |
アマゾン(Amazon)の物流拠点(Fulfillment Centers / フルフィルメント センター)と売上税申告義務
一方で、州により在庫等「物理的なつながり(Nexus / ネクサス)」がある場合、または一定の売上がある等「経済的なつながり(Nexus / ネクサス)」がある場合、販売者は売上税(Sales Tax / セールスタックス)を申告・納税する義務があります。
アマゾン(Amazon)の物流拠点(Fulfillment Centers / フルフィルメント センター)が存在する州は次のとおりです。
アリゾナ州 | カリフォルニア州 | コロラド州 | コネチカット州 |
デラウェア州 | フロリダ州 | ジョージア州 | イリノイ州 |
インディアナ州 | カンザス州 | ケンタッキー州 | メリーランド州 |
マサチューセッツ州 | ミシガン州 | ミネソタ州 | ネバダ州 |
ニューハンプシャー州 | ニュージャージー州 | ノースカロライナ州 | オハイオ州 |
ペンシルベニア州 | サウスカロライナ州 | テネシー州 | テキサス州 |
バージニア州 | ワシントン州 | ウィスコンシン州 |
販売者は、自身の商品の在庫がどこの州の物流拠点(Fulfillment Centers / フルフィルメント センター)に存在しているかを調べ、更にその州での税法を確認し、その州への売上税(Sales Tax / セールスタックス)申告義務があれば、その義務は継続することになります。
これはたとえ、マーケットプレイスファシリテーター法(Marketplace facilitator laws)によりアマゾン(Amazon)が代理徴収・納税している場合も、その義務は免除されません。
つまり、アマゾン(Amazon)による代理徴収・納税の有無に関わらず、販売者は州税法に従い、申告義務があります。
販売許可証取得の必要性
州に申告義務があるとすれば、売上税(Sales Tax / セールスタックス)を徴収するための販売許可証(※)を取得する必要はあるのでしょうか。
※Seller’s Permit / セラーズパーミット、Sales Tax Permit / セールスタックスパーミット、Sales Tax License / セールスタックスライセンスなどとよばれます。
はい、売上税(Sales Tax / セールスタックス)申告のため販売許可証を取得する必要があります。
まとめ
以上のとおり、米国アマゾンのFBAを利用して販売する場合、売上税(Sales Tax / セールスタックス)はアマゾンにより代理徴収・納税されますが、原則として販売者は商品在庫が存在する州において申告の必要があります。
ただし、税法は各州により異なりますので、詳しくは税専門家へご相談願います。
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