こんにちは、マークリサーチの柴田です。
情報番組で見た、中目黒のイルミネーション見学に行ってきました。
川の上のアーチ状の輝きは、息を呑むほどとっても綺麗でしたよ。
さて、早いもので今年も残すことろ10日となりました。
本年最後の米国起業情報をお届けします。
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■ 米国で社員を雇用する3つの方法
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アメリカでの会社設立手続きが終わりましたら、次に現地社員の雇用に
進みましょう。
日本とアメリカの社員採用の違いなどについて解説します。
1. 正社員・パートタイマー
まずは一般的な正社員とパート・アルバイトの雇用です。
米国ではアルバイトという語はなく、パートタイマーに含みます。
正社員・パートタイマーを採用するには、日本と同じように、
(1) 募集の告知
(2) 応募フォームの回収
(3) 面接
の手順で行なうのが一般的です。
社員募集を告知する方法は、従来は新聞の掲示板欄が主流でしたが、
昨今ではインターネットにその座は移ったといえるでしょう。
いくつかの大手求人サイトがありますので、
そのようなサイトに掲載するのが一案でしょう。
なお、日系人を募集したい場合は、現地の日本語のフリーペーパーや
コミュニケーションサイトへの掲載が効果的と思います。
また、米国は差別に対するたいへん厳しい規制があります。
応募フォームに、年齢・性別・人種を記入させる、写真を添付させるなどは、
禁止されていますので、注意が必要です。
次に、正社員・パートタイマーを雇用する際には、
雇用契約書を交わす必要があります。
契約書作成は弁護士等専門家に依頼すると安心でしょう。
また、雇用主は給与を支払う際に給与から源泉税を徴収すると共に、
以下の負担をしなければなりません。(州により異なることがあります)
・社会保障税(Social Security Tax) の一部
・高齢者医療税(Medicare Tax)の一部
・失業保険税(Unemployment Tax)
・労災保険(Worker’s compensation)
・傷害保険(State Disability Insurance) の一部
つまり、正社員・パートタイマーの雇用により、日本と同様、
雇用主は社員の社会保障費を負担しなければならない点に注意が必要です。
2.契約社員
日本での契約社員は、期間を決めて雇用主と契約を結んだ社員を指しますが、
米国では少々異なります。
会社が社員以外の個人事業主と契約に基づく仕事を依頼する形態であり、
その個人事業主は「Independent Contractor」と呼ばれます。
なお、一般的に契約に基づき支払う金額から源泉徴収を行なう
必要はありませんが、1年間に支払った合計額を毎年、税務当局と受取人に
報告する義務があります。(注1)
3.派遣社員
昨今、米国では日本と同様、派遣社員が増えています。ただし、日本と違い
専門性が高い仕事を一定期間契約するという形態が多くなっています。
派遣社員を採用するメリットは、専門性の高い社員を期間を限定し
働いてもらうことができることです。
また、社会保障費の雇用主負担が無く、給与計算も必要ありませんので
経費削減につながる可能性があります。
●最後に(正社員 vs 契約社員)
米国の雇用環境で度々問題になるのは、正社員と契約社員の区別についてです。
一般的に企業は人件費削減のため、正社員を望まない傾向があります。
これにより、原則企業は、社会保障税や労災保険等の経費を負担する必要は
ありません。
しかし、連邦政府・州政府の立場では、税収を増やしたいですし、労働者の
権利向上のため労災・傷害保険を企業側に求めたいと考えています。
また、労働者自身も社会保障が充実した正社員を望む傾向にあります。
連邦と州の徴税当局と労働当局では、正社員・契約社員識別テストが定めてあり、
正社員に該当するにもかかわらず契約社員として契約している場合は、
厳しいペナルティがありますので注意が必要です。
◆社員の雇用については、当社サイトでも解説しています。
「初めて社員を雇用する際に知っておきたいこと」
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■ カリフォルニア州売上税率の変更
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カリフォルニア州の売上税税率が2017年1月1日より変更になります。
各地区の税率は以下の税務局のページでご確認ください。(英語)
http://www.boe.ca.gov/sutax/pam71.htm
カリフォルニア州売上税の制度については、以下の当社サイトをご参照ください。
州別情報(カリフォルニア州)
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■ 最後に
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上記(注1)でも触れましたが、契約社員に年間600ドル以上支払った場合は、
翌年1月末までに税務当局と受取人に、フォーム1099という書類を
提出しなければなりません。
これにより、税務当局は納税者番号でつながった個人事業主の収入を把握し、
申告漏れを発見できるようになっています。
このように、既に米国では納税者番号で繋げられ所得隠しを防止する
システムを構築されているといえます。
日本でもマイナンバー制度が始まり、例えば、個人が法人に不動産を
貸してる場合、法人は個人のマイナンバーを税務署に報告する義務があります。
よって、日本でも徐々にマイナンバーによる紐付けが始まっており、
個人の所得隠しがバレバレになる日が近づいているということですね。
それでは、また来年!
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当メルマガの目的は一般情報の提供であり、個別の案件に対しアドバイス
するものではございません。
個別の案件につきましては各専門家にご相談ください。
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発行人: マークリサーチ有限会社
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