すべての日本における代表者が退任し外国会社(日本営業所)を閉鎖する際には、債権者保護手続きを行なわなければなりません。
手続きには主に次の2つがあります。
■知れたる債権者がいない場合
官報に「すべての日本における代表者が退任する旨」を公告する。
■知れたる債権者がいる場合
官報に「すべての日本における代表者が退任する旨」を公告し、かつ、知れたる債権者に個別催告を行なう。
(知れたる債権者の個別催告を省略する方法もあるが、ここでは省略)
債権者が異議を述べることができる期間は1ヶ月を下ることはできません。 個別催促を郵送で行なう場合は、郵送期間を加味し、1ヶ月+1週間ぐらいにしたほうがよいようです。
ここで、異議を申し述べる債権者がいない場合は、その旨を記載した上申書を作成し、登記申請書に添付します。
また、異議を申し述べる債権者がいる場合ですが、専門家の間でも情報が少ないため、忘れないようまとめておきます。
外国会社の代表者退任登記で債権者から異議があった場合の添付書類は次のとおりです。
A 債権者の異議申立書
B 次のいずれかの書面
- 異議を述べた債権者に対し、弁済したことを証する書面
- 異議を述べた債権者に対し、担保を供しことを証する書面
- 異議を述べた債権者に対し、信託したことことを証する書面
- 合併をしても異議を述べた債権者を害するおそれがないことを証する書面
上記のAだけでなく、A+Bでなければなりません。
なお、上記の書式は資料が見当たらないため、株式会社の合併登記の書式を準用するとよいと思います。
合併登記の書式は次の法務省サイトが参考になります。
http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/11-1.html#01
「合併」を「日本における代表者の退任」、「会社法第799条」を「会社法第820条」等、適宜変更すればよいようです。
<会社法>
(債権者の異議)
第799条
次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。
一 吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者
二 吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者
三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第768条第1項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者
(日本に住所を有する日本における代表者の退任)
第820条
外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。
債権者が前項の期間内に異議を述べたときは、同項の外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、同項の退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
第1項の退任は、前二項の手続が終了した後にその登記をすることによって、その効力を生ずる。
<ご注意>
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