日本国内でアメリカの株式会社として営業活動するために必要です

アメリカの会社を設立後、日本に営業所(支店)を登記することによって、日本の法人格を得ることができます。この方法で営業所を設立しますと、日本国内でアメリカの株式会社として営業活動が行えるようになります。

日本の商法によって、
「外国会社は日本において継続して取引を行なおうとするときは、日本における代表者を定め、その住所又はその他の場所に営業所を設け、かつその営業所について登記しなければならない。」(商法479条1項2項)となっています。

つまり、外国会社が日本で一般的な営業活動をする場合は、登記が必要になります。これを「外国会社の営業所登記」と呼んでいます。なお、「支店」を登記する場合も「営業所登記」となります。

登記を行なえば日本の一法人として、登記簿謄本や印鑑証明を法務局から取得することができます。取引先との契約の際に印鑑証明を添付することができるなど、個人事業と比較して社会的信頼性が向上します。登記の際の登録免許税は9万円です。

外国会社の地位

「外国会社は商法以外の法律の適用について、日本に成立する同種の又は最も類似する会社」(商法485条ノ2)
とみなされています。 また、内外法人は平等の原則が適用されます。つまり、日本営業所は、国内の株式会社と同等となります。

日本における商号

日本に登記の際の商号は、内国の法律で設立された会社と外国会社の区別をつける必要があるなどの理由から、本社の商号をカタカナ読みしたものもしくはローマ字となります。例えばアメリカの商号が「ABC,Inc.」であれば、日本の商号は「エービーシー・インコーポレイテッド」または「ABC,Inc.」となります。

公告

外国会社は株式会社(小会社)と同様、決算内容等を公告することになっています。
公告する方法には次の3通りがあります。

(1) 官報による公告 (費用:約6~9万円)

最も一般的な公告方法です。
「官報」とは国が毎日発行する政府刊行物であり民法や商法等に基づく法定公告に利用されています。
申込みは各都道府県の官報販売所で行いますが、全国どこの販売所から申し込んでも構いません。 最近ではインターネットで申込みができる販売所もあります。

(2) 日刊新聞紙による公告(費用:50万円以上)

日本経済新聞などの全国紙に掲載します。大企業でよく利用されます。

(3) インターネットによる公告 (費用:0円~)

平成15年よりホームページへの掲載が認められました。 5年間不特定多数の方が見ることができる状態にすることが必要です。 自社の既存のホームページに掲載すれば、費用はかからないでしょう。
また、公告掲載を専門とする有料サイトもあります。

登記手順

外国会社の営業所登記は、内国の株式会社設立と比較して、難しいものではありません。大半の方は自分で登記を行っています。

プロセス

日本法人設立

宣誓供述書の準備

申請書類には、

  1. 本店の存在を認めるに足りる書面
  2. 日本における代表者の資格を証する書面
  3. 定款または会社の性質を識別するに足りる文書

を添付する必要があります。

また、これらの書類には、本国の官憲による認証を得る必要があります。

これらの書類を補助するために、「宣誓供述書」という書類を作成し、アメリカ大使館で認証を得るのが一般的です。くわしくはこちら

宣誓供述書とは、その文章の内容が正しいことを立会人の前で宣誓し、供述することです。法務局の解釈では、「本国の官憲」とは本国の大使または州公証人などとしています。

申請書類の作成

アメリカの会社の設立ができましたら、以下の申請書類を準備します。まずは、営業所設置予定地の管轄法務局へ出向いて、「登記申請書の同一用紙」(コンピュータ化している法務局は「OCR用紙」数枚)と「印鑑届出書」(コンピュータ化している法務局は「コンピューター用印鑑届出書」)を入手します。

① 登記申請書

申請書の1枚目はワープロを使って自分で作成します。用紙はB4を使用し出来上がりは印字面を外側に二つ折にします。

■ 登記申請書サンプル    Wordファイル(22KB)   PDFファイル(21KB)

 

② 登録免許税納付用台紙

法務局もで登録免許税9万円分の収入印紙を購入し、B5の白紙の真中に貼り付けます。消印は法務局側が押しますので、押さないでください。

 

③ 登記申請書の同一用紙

事前に法務局から「登記申請書の同一用紙」を入手し、これに記入します。このとき株式会社用の用紙を入手してください。コンピューター処理の登記所の場合は「OCR用紙」となります。

■ 登記申請書の同一用紙サンプル Wordファイル(161KB) PDFファイル(339KB)
■ OCR用紙サンプル    Wordファイル(21KB)   PDFファイル(16KB)

 

④ 印鑑届出書

事前に法務局から「印鑑届出書」用紙を入手してください。コンピューター処理の登記所の場合は「コンピューター用印鑑届出書」となります。

 

⑤ 日本での代表者の印鑑証明書

発行3ヶ月以内の日本での代表者個人のものを1通用意します。これは、印鑑届出書に貼り付けて提出します。

 

⑥ 添付書類

1.本店の存在を認めるに足りる書面
2.日本における代表者の資格を証する書面
3.定款または会社の性質を識別するに足りる文書
4.上記書類の訳文
を添付することとなっています。

上記の書類はアメリカの会社の場合、

  • 基本定款
  • 付属定款
  • 設立証明書
  • 宣誓供述書
  • 上記の訳文

を添付することが一般的となっています。

なお、基本定款、付属定款および設立証明書は、コピーを添付します。

その際は、各書類に日本における代表者の印の割り印を押し、その英文の末尾に「これは原本と相違ない。」と朱書きし押印します。

また、それぞれの訳文には同様に「これは○○の訳文に相違ない。訳者 何某」として押印します。

 

宣誓供述書の認証手続きについて

宣誓供述書を作成しましたら、在日アメリカ大使館市民サービス課で公証手続きを行います。

ここでいう公証とは、書類を持参した人が「この書類が正しいことを宣誓します」と権限がある領事の面前で誓って、サインすることです。

領事はそのサインをしているところを確認し、「この書類を持ってきた人は、書類が正しいものであることを私の前で宣誓しました」という意味の公証人のサインをその下にいれます。

宣誓できる人は会社の取締役もしくは日本における代表者です。

■持参するもの

  • 身分証明書(パスポート)
  • 米国会社設立書類
  • 宣誓供述書

■アメリカ大使館の場所

東京都港区赤坂1-10-5 電話 03-3224-5000(代表)
03-3224-5174(アメリカ市民サービス一般)

 

■業務時間/休館日等

頻繁に変更がありますので大使館のホームページ等で最新情報をご確認ください。
在日アメリカ大使館公証サービスにリンク

 

■その他のご注意

  • 宣誓供述書には日付とサインを入れないでください。領事の面前でサインをします。
  • 料金は1通50ドルです。日本円でも支払うことができます。
  • 当情報は予告無く変更になる場合があります。大使館に直接お問い合わせ願います。
  • 東京以外の在日アメリカ領事館においても公証サービスを受け付けていましたが、現在は中止しています。詳しくは各地の領事館に直接お問合せください。

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