専門サービス会社設立の注意点
コンサルティング、エンジニアリング、会計等、専門サービスを主とする会社を設立する場合、税務上の注意が必要になります。
IRS(内国歳入庁)が定める専門サービス(IRSの定義では「パーソナル・サービス」)の提供を主とするCコーポレーションは、「パーソナル・サービス・コーポレーション(Personal Service Corporation; 通称PSC)」に分類され、通常のCコーポレーションとは異なる税制が適用されます。
「パーソナル・サービス」とは、会計、保険数理、建築、コンサルティング、エンジニアリング、医療(獣医サービスを含む)、法律、舞台芸術の各分野が該当します。
また、「パーソナル・サービス・コーポレーション」の判別は、主に次の両条件を満たしている場合です。
「パーソナル・サービス・コーポレーション」に該当する場合、事業年度は暦年が必須となり、税率は一律35%が適用されます。
また、州によっては、設立条件が異なる、税制が異なる場合があります。例えば、カリフォルニア州では「パーソナル・サービス・コーポレーション」に該当する会社はLLCを選択することができません。
パーソナル・サービス・コーポレーション制度の背景
Cコーポレーションは個人事業主と比較し、税務上認められる費用(経費)の範囲が広い、税率が低い等、の特徴があります。
そのため、医師、会計士、弁護士等多くの専門家が、税逃れを目的としCコーポレーションを設立してきました。
パーソナル・サービス・コーポレーション制度は、そのような税逃れを防止し、個人事業主との格差をなくすことを目的としています。