本日はお客様からのご質問に対する回答例をご紹介します。
> この度、ハワイ法人の役員変更を行うことになりました。
> 以下のように変更したいのですが可能でしょうか?
>
> 現在
> 代表取締役:Aさん
> 取締役:Bさん
> 取締役:Cさん
>
> 変更
> 取締役会長:Aさん
> 代表取締役:Bさん
> 取締役:Cさん
つまり、
Aさん:「代表取締役」→「取締役会長」
Bさん:「取締役」→「代表取締役」
という役職変更をしたいということですね。
この会社は日本営業所も登記しているので、
ハワイの変更登記に加え日本でも変更登記を行なう必要があります。
まずハワイの変更登記は上記の内容で手続きすることができます。
ハワイで「取締役会長」という役職名は一般的ではありませんが、
最低限 取締役1名・オフィサー1名を登記していれば、
その他の役職名は自由に設定することができます。
次に日本営業所の変更登記です。
ところで日本営業所の登記は、
『日本に成立する同種または最も類似する内国会社の支店に関する規定に従う』
ということをご理解いただく必要があります。
つまり、今回のケースではこのハワイ法人はコーポレーションですので、
日本の株式会社の支店登記に当てはめて登記します。
役員に関し最低限登記が必要な事項は、一般的に、
・取締役
・代表取締役
・日本における代表者
です。
さて、今回のご質問に戻りますと、
取締役と代表取締役の変更が登記を必要な事項に該当します。
では、「取締役会長」は?
↓
↓
このままでは登記できません。「取締役」であれば登記可能です。
日本では経営の一線から退いた重役の方に敬意を表して「会長」や「相談役」
などという役職名をつけることがあると思います。
また、「社長」「CEO」「CFO」などの役職名もあります。
しかし、これらは法律が規定している役職ではありませんので、
登記することができません。
また、「代表取締役」「取締役」の登記を混乱されている方が多いようですので、
ご説明しておきます。
「代表取締役」は「取締役」の中の代表です。
従いまして、正しい登記方法の例は次のとおりです。
×
代表取締役:Aさん
取締役:Bさん
取締役:Cさん
○
取締役:Aさん
取締役:Bさん
取締役:Cさん
代表取締役:Aさん
※この記事の内容は一般情報として提供しており、特定の案件に対する個々人の状況に適した
アドバイスではありません。また、記事の内容の正確性を保証するものではありません。
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