アメリカで日本の消費税にあたる税は、多くの州で売上税(Sales Tax)・使用税(Use Tax)と呼ばれています。ここでは、日本の消費税とアメリカの売上税の違い、売上税と使用税の違いについて記載します。
なお、ご存知のとおりアメリカは州毎に独自の税法を持つため、州により税制度は異なります。
州毎の詳細な解説は会計士などの専門家に譲り、ここでは全体像を理解するための説明とさせていただきます。
■日本の消費税とアメリカの売上税の違い
日本でもアメリカでも最終消費者が税を負担することは同じです。
日本での消費税率は国税と地方税を合わせ5%です。
アメリカでは連邦税は無く、州税と一部の地方自治体が定め、税率は州や地方自治体によって様々です。従って、旅行する場所によって税率が違う体験をされた方も多いと思います。
さて、消費税と売上税の違いについてですが、販売業者が製造業者から商品を80円で仕入れ、最終消費者に商品価格100円と税5円の105円で販売した場合(税率は5%と仮定)について、以下に課税のイメージを記述します。
○消費税
製造業者A → 販売業者B → 最終消費者C
販売価格:84円 販売価格:105円
(商品価格80円+税4円) (商品価格100円+税5円)
製造業者Aは4円を納税し、販売業者Bは最終消費者Cから預かった税5円から製造業者Aに支払った税4円を差し引いた1円を納税する。
○売上税
製造業者A → 販売業者B → 最終消費者C
販売価格:80円 販売価格:105円
(商品価格80円+税0円) (商品価格100円+税5円)
製造業者Aは税金を預らず、販売業者Bは最終消費者Cから預かった税5円を納税する。
つまり、売上税は、再販目的で仕入れる場合は売上税を支払う必要はありません。再販目的での仕入を行うため、再販業者はあらかじめ州税務局から再販許可証(Resaler’s Permit)を取得する必要があります。
■売上税と使用税の違い
売上税は前述のとおり、販売業者が徴収する税ですので分かりやすいと思いますが、使用税は日本で馴染みが薄いと思います。これは簡単に言いますと売上税が徴収されていない商品やサービスを州内で使用(消費)した場合に課税されます。
アメリカは州により税額が異なり、極端な例ではニューハンプシャー州など売上税そのものがありません。そうするとその周辺の州に住む人たちはより低い税率の州に買い物に出かけ、税率の高い州のお店は衰退していくでしょう。
これを防ぐために導入されたのが使用税です。原則として、州の売上税と使用税は同率です。
他の税率の低い州で購入した商品やサービスは、それらを使用(消費)した州において税の差額を収めなければなりません。ちなみに税率の高い州で購入した場合には差額は戻ってきません。
ただ、最終消費者の大半は個人であり、購入時に州への登録が義務付けられている自動車などの一部を除き、正確に申告されているのかを調べるのは至難の業です。
インターネットの普及により他州の業者からの購入が簡単になりました。
現在、アメリカでは使用税の申告漏れが大きな社会問題になっており、次回はこの点について解説したいと思います。
では、次回もお楽しみに!
<ご注意>
このブログの目的は一般情報の提供であり、個別の案件に対しアドバイスするものではございません。個別の案件につきましては各専門家にご相談ください。
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